羽島市の空家対策について第三回羽島市空家等対策推進協議会を傍聴

暮らしの情報

2025年11月26日、羽島市役所にて開催された「第三回羽島市空家等対策推進協議会」を傍聴しました。本協議会では、令和八年度から令和十二年度までの五カ年にわたる「羽島市空家等対策計画」の改定案が示され、市としての今後の方向性が議論されました。

計画の目的と背景

本計画は、市民の皆様が安全かつ安心して暮らすことのできる生活環境を確保し、空き家の利活用を促進することで、地域のまちづくりの活性化につなげることを目的としています。

羽島市の空き家率は12.5%となり、平成30年から1.7ポイント増加しています。県平均16.1%を下回ってはいるものの、今後さらに増加する可能性が高く、早い段階からの適切な管理と活用が求められます。

計画の主要ポイント

1. 空家等の再利用促進

移住・定住促進につながる利活用補助金の創設が検討されています。特に転入者や子育て世代を優遇し、空き家を地域活性化の資源として位置づける方向性が示されました。

2. 空家等のデータベース化(DX化)

GISを活用し、空き家の情報を整理・一元管理することで、対策の効率化を目指します。

3. 改正空家特措法への対応

令和5年の改正内容を反映し、「管理不全空き家等」への指導・勧告や、勧告時の住宅用地特例(固定資産税1/6特例)の解除といった仕組みが検討されます。

空き家がもたらす地域課題

空き家は放置されると、以下のような問題を引き起こします。

  • 防災・防犯上のリスク
  • 公衆衛生の悪化
  • 景観の悪化

これらの問題は、地域の日常生活に直結するものであり、行政・地域・所有者が連携した対応が欠かせません。

市内の住宅ストックの現状

住宅数28,720戸に対し、世帯数は25,420戸と、住宅数が世帯数を大きく上回っています。空き家増加の背景として、人口動態や相続の未整理など複合的な要因が考えられ、対策の重要性があらためて示されました。

重点的に対策を行う地区

計画では、特に次のエリアを重点地区として対策を進める方針が示されています。

  • 通学路沿道
  • 竹鼻町・江吉良町の中心市街地
  • 集落連坦地区

地域特性に応じたきめ細かな対応が期待されます。

適切管理の促進に向けた取り組み

空き家所有者への啓発、相談窓口の充実、相続発生時の支援、国・県の施策情報の提供など、多角的な取り組みが計画されています。住宅環境を改善するための支援策についても整備が進む見込みです。

所感

空き家問題は、人口構造の変化や地域コミュニティの在り方と深く関わる重要な政策課題です。
早期の適正管理と利活用を進めることは、市民生活の安心・安全を守るとともに、地域の活力につながります。

今後も、市の取り組みを注視しつつ、議会の立場から地域と行政をつなぐ役割を果たしてまいります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました