2025年7月1日、岐阜県議会の一般質問において江崎禎英知事が「岐阜圏域にLRT(次世代型路面電車)導入の検討を開始した」と発表されました。このLRT構想は、岐阜市と羽島市を軸に、岐阜羽島駅・名神高速ICと岐阜駅・県庁・観光地を結ぶ「南北の幹線交通」を整備するという壮大な構想です。
羽島市にとって、これは大きなチャンスになると私は考えています。今回は、このLRT構想を受けて、羽島市におけるその有用性と、将来への期待について考察させていただきました。
地域の可能性を切り拓く新たな交通戦略とそれがもたらす効果について一緒に考えていきましょう。

交通の結節点としての羽島市のポテンシャル
羽島市は、東海道新幹線「岐阜羽島駅」と名神高速道路「岐阜羽島IC」という2つの交通要衝を持つ全国的にも珍しい街です。
しかし、現状ではその交通利便性を“通過点”として見られてしまうことも少なくありません。
もし今回のLRTが実現し、岐阜羽島駅から岐阜駅、県庁、長良川や金華山といった岐阜市の主要拠点と直結することになれば、羽島市が「交通の中継地」から「人が集まる発着地」へと進化する可能性が高まります。
観光客やビジネス利用者の導線が明確になれば、羽島市自体の滞在時間も伸び、地域経済への波及効果は計り知れません。
人が動けば経済が動く
「人が動く場所には経済が生まれる」
これは商業やまちづくりに関わる者の中では常識とも言える原理です。
LRTの導入は、まさにその“人の流れ”をデザインする施策です。
LRTによってスムーズに岐阜市中心部へアクセスできるようになれば、羽島から岐阜への観光・買い物・通勤通学が活性化されると同時に、途中駅となる地域にも新たな需要と価値が生まれることが期待されます。

観光資源の“点”を“線”に変えるインフラ
岐阜県には、金華山・川原町・長良川鵜飼といった国内外から注目される観光コンテンツが多数存在しています。加えて、岐阜羽島駅を起点とした美濃地方や西濃エリアには、まだ知られていない魅力的な場所も多くあります。
しかし、これまでは交通の不便さやアクセス手段の乏しさから、それぞれが“点”の存在にとどまり、“回遊性”を持つ観光地としての機能は果たせていませんでした。
LRTが実現すれば、それらの“点”が“線”で結ばれ、観光地全体としての価値が向上します。国内旅行者はもちろん、岐阜羽島駅を拠点とする訪日外国人旅行者の周遊も期待でき、岐阜全体の観光経済が大きく動く可能性があります。
知事のリーダーシップに感謝しつつ、実現へ向けた地域の協力を
今回の構想は、江崎知事の強いリーダーシップによって立ち上がったものです。
「財政負担の抑制」「原則県道利用による土地買収の最小化」など、現実的かつ持続可能な方針を示しながら、岐阜市・羽島市とも意見交換を重ねている点は非常に素晴らしいと思っております。
羽島市の松井市長も、「南北軸の形成は地域活性化の起爆剤となる」と期待を寄せています。
もちろん、実現に向けては建設コストや既存交通網への影響など、慎重な検討が必要です。
しかし、地域全体でこの構想の価値を共有し、前向きに協力していくことが、成功への鍵となるはずです。
終わりに:羽島の未来は“つながる”ことで広がる
LRT構想は、羽島市を単なる「通過点」から「人が集まる交通と観光の起点」へと生まれ変わらせるチャンスです。
これは単なる交通インフラの整備ではなく、“まちの未来をつくる投資”だと私は捉えています。
この構想が形となり、羽島市と岐阜市、そして県全体が連携することで、新たな経済圏と文化交流が生まれることを願ってやみません。
そして、私自身もこの計画が成功するよう、地域の一員として、議員として、全力で支えていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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