岐阜防災減災シンポジウムで学ぶ、日常から始める防災と地域のつながり

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岐阜防災減災シンポジウムに参加して

9月17日、十六プラザで開催された「岐阜防災減災シンポジウム」を聴講しました。

今回のシンポジウムでは、能登半島地震の経験から学ぶ復興のあり方や、地域における防災活動、災害時の食の備え、正確な情報発信など、さまざまな視点から防災・減災について考える機会となりました。

私自身、防災士として地域の防災活動に携わっていますが、今回のお話を通じて、改めて平時からの備えの重要性を感じました。

災害への備えというと、備蓄品や避難場所の確認などを思い浮かべる方も多いと思います。しかし、実際の災害では、それだけでは十分ではありません。人と人とのつながりや、正しい情報を得る力、日常生活の中で培われる地域の関係性も、命や暮らしを守る大切な要素です。

能登半島地震から学ぶ、復興と人のつながり

基調講演では、「能登半島地震から学ぶ」をテーマに、被災地での活動についてお話がありました。

当初予定されていた講師の方がけがのため欠席され、代わって日本ホスピタル・クラウン協会の大棟耕介氏が講演されました。

講演で印象に残ったのは、復興とは単に建物やインフラを元に戻すことではなく、「人と地域の誇りを取り戻すこと」でもあるという考え方です。

災害に遭われた方々は、生活環境の変化だけでなく、不安や恐怖、失望など、さまざまなストレスを抱えています。そうした状況の中で、人が人らしさを取り戻し、前に進むきっかけをつくることも支援の大切な役割です。

大棟氏は、クラウン(道化師)として被災地で活動されてきました。笑いや人との交流を通じて、被災された方々の心に寄り添う活動は、物資や制度による支援とは異なる大切な意味を持っています。

また、能登半島地震では、被災したスーパーの状況をSNSで発信したところ、多くのボランティアが集まり、約2か月後の営業再開につながったというお話もありました。

一方で、交通の便がよい場所や報道で取り上げられる地域には支援が集まりやすい反面、被災地の中でも場所によって支援に差が生まれるという課題もあります。

このお話から、被災地の状況を正確に伝えること、そして支援が届きにくい地域にも目を向けることの重要性を学びました。

防災を特別な活動にせず、日常の暮らしの中へ

パネルディスカッションでは、岐阜大学客員教授の東善朗氏から、地域住民と防災関係者との意識の違いについてお話がありました。

防災に携わる人は、災害の危険性や備えの必要性を強く意識しています。一方で、多くの住民にとって、防災は日々の暮らしの中で優先順位が高いものとは限りません。

危機感を持ち続けることを求められると、負担に感じてしまう方もいます。

そこで大切なのは、防災を日常生活や幸福な暮らしを支えるものとして捉えることです。

例えば、地域の行事に参加する、近所の方とあいさつを交わす、子どもを通じて地域の人と知り合う。こうした何気ない日常の活動が、いざというときに助け合える関係づくりにつながります。

また、防災活動への参加も、最初から地域の活動を主導する必要はありません。

広報や回覧板を読む、自宅でできる備えを始める、アンケートに回答する、地域の防災訓練に参加するなど、一人ひとりができることから始めればよいのです。

「参加するか、しないか」という二択ではなく、それぞれの状況に応じた関わり方がある。この考え方は、地域の防災力を高めるうえで大切だと感じました。

災害時の食を守る、日常からできる備え

パネルディスカッションでは、敷島産業の馬場美穂氏から、災害時の食の備えについてもお話がありました。

災害が発生すると、停電や物流の停止によって、普段どおりに食事を用意することが難しくなります。食事が十分に取れないことは、健康状態の悪化や災害関連死のリスクにもつながります。

そこで紹介されたのが、乾物や缶詰などを活用した備蓄と、普段から食べている食品を買い足しながら備える「ローリングストック」です。

非常時のためだけに特別な食品を用意するのではなく、日常的に食べ慣れたものを備えておくことで、災害時にも安心して食事を取ることができます。

また、高密度ポリエチレン製のポリ袋を活用した調理方法も紹介されました。食材や調味料を袋に入れて湯煎することで、限られた水や燃料を有効に使いながら調理できます。食器を汚さずに済むなど、災害時に役立つ工夫もあります。

こうした備えは、災害が起きてから始めるものではありません。普段の買い物や食事の中に取り入れることで、無理なく継続できます。

なお、実際に湯煎調理を行う際は、湯煎に対応した食品用ポリ袋を使用し、製品の使用上の注意を守ることが必要です。

災害時に命を守る、正確な情報発信

災害時の情報発信については、岐阜新聞の鷲見進氏からお話がありました。

現在はSNSなどを通じて、誰もが簡単に情報を発信できる時代です。一方で、災害時には真偽が確認されていない情報や誤情報が広がることもあります。

そのような状況だからこそ、情報を受け取る側にも、発信元や内容を確認する姿勢が求められます。

また、地域に根差した情報発信の重要性についても紹介されました。

広域的な報道だけでは、地域ごとの細かな状況まで十分に伝わらない場合があります。地域の実情を把握し、必要な情報を確実に届けることは、住民が適切に行動するための重要な支えになります。

災害時には、情報が不足しても、反対に情報が多すぎても、適切な判断が難しくなります。正確な情報を見極め、必要な情報を地域で共有する仕組みを日頃から考えておくことが大切です。

平時からの備えが、地域の安心につながる

今回のシンポジウムを通じて、改めて感じたのは、平時からの備えがいかに重要かということです。

備えというと、食料や水、非常用持ち出し袋などの備蓄品を準備することに意識が向きがちです。もちろん、こうした物資の準備は欠かせません。

しかし、それと同じくらい大切なのが、人と人とのつながりです。

普段から近所の方と顔を合わせ、地域の活動に参加し、困ったときに声をかけ合える関係を築いておく。そうした日常の積み重ねが、災害時の助け合いにつながります。

また、災害時の食事や情報収集についても、日常生活の中で少しずつ備えることができます。特別なことを一度に始めるのではなく、自分にできることから取り組むことが大切です。

私は、防災士として地域の防災活動に携わるとともに、羽島市議会議員として、地域の安心・安全を守るために何ができるのかを考え続けていきたいと思います。

「事前の一策は事後の百策に勝る」。

災害が起きてから対応するだけでなく、何も起きていない今だからこそできることがあります。

一人ひとりの小さな備えと、地域のつながりを大切にしながら、誰もが安心して暮らせる羽島市を目指して、これからも防災・減災の取り組みを進めてまいります。

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