2025年11月26日、羽島市議会の清和クラブ・清風クラブ・清流政策研究会の3会派による合同勉強会が開催されました。
講師には 松波総合病院 理事長・松波英寿 氏 をお招きし、
「健全な病院経営~地域医療構想達成の必要性~」 をテーマに貴重なお話を伺いました。
日本の病院経営の現状
松波理事長からは、「地域医療はもはや崩壊寸前である」という強い危機感が示されました。
以下に現状におけるポイントをまとめさせていただきます。
◆ 診療報酬と物価の乖離
診療報酬は国が定める公定価格であるため、
- 物価高騰
- エネルギー費の増加
- 賃金上昇の流れ
に追いつかず、結果として多くの病院が深刻な経営難に直面しています。
◆ 医業利益は“7割が赤字”
病院の本業による利益(医業利益)は多くの民間病院においても赤字とのこと。
病床利用率は2024年度に入って改善しているものの、収益改善にはつながらず、経費増加が経営を圧迫し続けている状況です。
◆ 賃金上昇率の課題
他産業と比較すると医療従事者の賃金上昇率は低く、
- 経団連企業…5.3%
- 連合加盟企業…5.25%
- 病院…2.5%
と大きな差があります。今後の人材確保に影響が出ることは避けられません。
所感
今回の勉強会は、民間病院の院長が語る“現場の実態”を、市議として直接伺える大変貴重な機会でした。
民間病院は、公立病院よりも経営の自由度が高く、機動的な判断が行いやすいと言われます。
その民間のトップが「地域医療は崩壊寸前」と明言されるほどの危機感を抱いているという事実は、私たち自治体にとって非常に重く受け止めるべき内容でした。
特に、医業利益の約7割が赤字という厳しいデータは衝撃的でした。
診療報酬が物価上昇に追いつかず、エネルギー費や人件費などの増加が病院経営を直撃していることは、市民病院にとっても例外ではありません。
さらに、医療従事者の賃金上昇率が他産業に比べて大きく劣っているという点は、公立病院の人材確保の難しさをさらに加速させる懸念があります。
こうした状況を踏まえると、羽島市としても「市民病院の経営改善」は待ったなしの課題だと感じます。単に赤字の補填を続けるのではなく、
- 経営の透明性向上
- 医療需要に応じた機能見直し
- 人材確保に向けた待遇改善
- 近隣医療機関との連携強化
といった抜本的な改革に取り組む必要性が、今回の勉強会を通じてより明確になりました。
最後に、地域の医療体制を守ることは、市民の命と生活を守ることそのものです。
民間・公立の違いに関わらず、医療機関全体の現状を正しく理解し、住民福祉の向上につながる政策を市議会としてしっかり提案していきたいと強く感じる勉強会となりました。
松波理事長始め、ご対応いただいた皆様、本当にありがとうございました。


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